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M&A

株主総会に思う:会社は誰のものか

2005年07月01日

今年の株主総会も山を越えたが、6月29日に三共の株主総会に出席した。第一製薬との統合に関し、村上世彰氏が反対しいろいろと質問したが、ほとんどを庄田社長が丁寧に答え、統合が承認された。一昔前なら総会屋は存在したが、村上氏のように理詰めで経営者と対話する人は存在しなかった。その意味で、村上氏の存在は評価している。
しかし、今回の三共と第一の統合についての彼の、「三共は買う側ではなく買われるべき」との論理は、納得性を欠いた。上場企業が公開買付(TOB)で買収される際には、時価にプレミアムを乗せる。したがって、確かに三共が買収されれば株主はプレミアムを受け取ることができる。
しかし、これは武田でもアステラスでも同じで、どこの企業も買収されたほうが儲かればいいという短期的な株主にとってはいいことになる。しかし、上場企業の経営者が買収されるために経営すべきなのか。買収されるということは、経営権を買手に譲ることを意味するのみならず、従業員や取引先も買収側よりも劣後する位置に追いやることである。利害関係者の立場を弱めるような経営を目指すべきではないだろう。

一部のマスコミには、村上氏から洗脳されたかのように彼と同じ意見が掲載されていた。村上氏が意見を言うのは結構だとしても、マスコミがことの本質を考えずして同調するのは情けない話である。三共の統合が株主総会で否決されたなら大きなニュースになるのだろうが、可決されてマスコミの取り上げ方も小さかった。村上氏がマスコミを利用するのは仕方がないが、マスコミ側は自分自身で経営というものを考えて欲しい。三共は、十分に株主の意見を聞いたうえで、採決に入り株主の不満は残らなかったと思う。
では、同日行われたフジの株主総会はどうだったか。拍手と共に怒号の中で、質疑が打ち切られたという。もしもフジの株主が一人だったら、株主は、ニッポン放送問題の対応のしかたについて経営責任を追及しただろうし、経営陣の続投はあり得なかったであろう。会社が株主のものではなく経営者のものとの印象を持った人は多かっただろう。
村上氏は、会社は株主のもので、経営者、従業員は「株主の僕(シモベ)」であるという。それは言いすぎだと思うが、会社が経営者のものか株主のものかと聞かれれば、株主のものと答えるしかないだろう。
しかし、上場企業で株主が分散していればいるほど、株主の声は小さくなり経営者が好きなように会社をコントロールする。日本市場には、会社に多額の現金を抱えたまま、非効率な経営陣が経営し続けている会社が数多く存在する。
そのような会社に、効率化を迫りながら結局現金を配当という形で吸い上げるのではなく、敵対的買収の手段を通じてでも実際に経営権を取得し企業価値を上げるような投資家が出現すればその会社の従業員、取引先も歓迎し日本経済を活性化するものと考える。



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