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株主の意見を聞かない買収防衛策は有効か:TBSの新株予約権

2005年06月06日

先日、ニレコの買収防衛策の差止めが東京高裁で決定された。非常に納得感のある決定であった。ニレコ案は、「今年の3月末の株主にだけ新株予約権が発行され、その実行の可否を特別委員会で審議するが、決定は取締役会が行う」というまさしく防衛策の欠陥品で、ニレコの案が差止めにならないなら、経営陣は容易に支配権維持できるようになってしまう。野球で言えばワンバウンドはストライクではないんだという、余りにも当然の決定が出たに過ぎないともいえる。
では6/3に実行されたTBSの防衛策はどうか。日興プリンシパル・インベストメンツ(NPI)1社に対し新株予約権を発行した。NPIが通常時に行使しようとするとその価格は現在の時価の約2倍の4,000円、買収が仕掛けられたときに、特別委員会の勧告を参考に取締役会が必要と認めたときは、その時点の時価の9割の価格となる(時価が2,000円とすると1,800円)。すなわち、実質的に、敵対的買収の防衛時にしか行使されない新株予約権である。ここで問題となるのは、平時にもかかわらず株主の意見を聞いていないことである。

何も発生していない状況下で株主の意見を聞かずして、経営陣だけがこのような防衛策をとってもいいのか。適切な防衛策かどうかの分岐点は、「経営陣が支配権維持にも使用できるかどうか」である。その観点では、TBSの防衛策は、経営陣が支配権維持にも使えるのは明らかであり、今回の防衛策が認められるなら、多くの上場企業が同様の防衛策をとってしまう可能性が極めて高い。ストライクゾーンからボール3個外れてもストライクかどうかは審判に任せようというに等しいルール変更である。まともな野球にはならない。利害関係者は、事の重要性をよく認識すべきである



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