I think... 現在の思い

全て表示  M&A  雑感  社会  

« 「経営権プレミアム」と株価:ニッポン放送問題 | トップに戻る | りそなホールディングス細谷会長との対談(Forbes 6月号) »

M&A

ニッポン放送問題:中間時点の感想

2005年04月22日

(今週の月曜日に和解に向けた基本合意の内容についての記者会見があった。これに関して、日経QUICKからインタビューを受け、昨日リリースされた。その主な内容と(注釈)を下記に紹介する。)
1.資本・業務提携の内容をどうみる
「勝敗は明らかだ。フジテレビがニッポン放の経営権をどうしても取り戻したかったということだろう。そのためにライブドアの要求をのんだ。フジテレビには長期戦の選択肢もあったが、ライブドアとの争いを抱えたまま株主総会を迎えることに腹をくくれなかったということだろう。早期解決の利点もあるが、フジテレビ側がギリギリの交渉をしたとはみてとれない。ニッポン放がライブドア傘下になった場合の混乱の責任がフジテレビに及ぶことを想定した可能性もある」(記者会見で堀江さんが言っていた内容は、フジとの提携等当初からやりたいと言っていた内容である。しかし、その他3者は、当初絶対にやりたくないということを今回やることになったと発表していた。この事実からだけでも明らかだろう。)

2-1.ライブドア側からみた今回の合意内容の評価
「フジテレビと業務提携するという最低限の目標を達成した。結果的にニッポン放株取得に使った資金が戻ってくるうえに、フジテレビからの出資も引き出した。経済的なメリットに加え、想定通りの業務提携ができれば、非常に大きなプラスだ。一方、一時は事実上経営権を取得したニッポン放は、結果的にどうでもよかったということになった。一連の騒動ではマネーゲームとも受け取れる言動もあった堀江社長自身の信用を著しく棄損したことも否めない」
2-2.フジテレビ側からの評価
「そもそもニッポン放の子会社化で戦略を間違えた。子会社化を確実にしたかったのなら、株式公開買い付け(TOB)価格は当時の時価を下回る5950円にすべきでなかった。(値段を上げるべきだった。)さらに、ライブドアの影響力を一掃することが可能な大量の新株予約権の発行決定にも無理があった。資金使途の説明ができる範囲で過半数が獲得可能な規模にすれば、法律的に認められた可能性が高かった」
「TOBが終了した段階で取得した株式は発行済み株式の4割弱にとどまったが、過半数の取得を目指すべき場面で、買い増しをしないことを明言したことも失敗だった。戦略の間違いの対価として子会社化の資金がかさみ、ライブドアとの業務提携をのまされてしまったということだろう」
2-3.ニッポン放送について
「従業員や少数株主には喜ばしい結果となったが、フジテレビ側しかみていなかった経営陣の意思決定には疑問が残る。総資産の半分を占めるフジテレビ株を貸し出し、活用できないようにしたことが会社として利点があったのか。フジテレビのためというのを第一義的に経営者が行動したのは批判されるべきだろう」
3.今後の焦点
「まずは業務提携の内容だ。発表した資本・業務提携は基本合意に過ぎない。ライブドアが業務提携を重要視するのなら、ニッポン放株の譲渡日の5月23日までに、大枠の内容で合意して示すべきだ。(まだ基本合意段階である以上、)株式の譲渡日までは、ライブドア側がこの提携を破棄できる。それを過ぎて(株式譲渡が完了して)しまえば、フジテレビが業務提携を真剣に考えるインセンティブ(誘因)がなくなる。半年後に発表される提携が内容がないものなら、もともとマネーゲームだったといわれても仕方がない」
4.ライブドア・フジテレビ騒動が株式市場に与えた影響
「経営者が、株式を公開し続ける意味を改めて見直すきっかけになった。株式公開は、信用力が増し、市場からの資金調達が可能になる一方、経営の機動力は低下し、コストもかかる。一方で今後数千億、数兆円単位の大規模なM&Aが増えることも予感させた。有効なスキームには資金が集まるようになってきた。企業買収に対する最強の防御策となる株式の非公開化が出てくる可能性が極めて高まったとみている」
「3月期決算企業の株主総会では、企業買収に対する防衛策を導入する企業が増えるだろう。ただ、経営者の支配権維持だけが目的で、だめな経営者から会社を買収する『善』の買収も拒否してしまう『欠陥品』が乱発しそうだ。過剰防衛は非難されるべきだ。導入した後は廃止しにくいため、懸念している。今回の株主総会でのこうした動きについて、株主や市場はしっかり監視する必要がある」




最新の記事

2014年12月24日
インテグラル: 日本型バイアウト市場の拡大を目指します。

2009年06月13日
本気で「郵政民営化」する気があるのか?

2006年09月13日
Random Talk一時休止について

2006年09月02日
正当防衛は当然だが、戦闘は避けるべき

2006年08月26日
安倍官房長官の武器使用発言は危険

2006年08月16日
ロシアの漁船拿捕銃撃事件:予期せぬ出来事への瞬間的反応

2006年08月12日
富士登山:目指し続けると目標に近づける

2006年08月10日
日経ネットのBiz+Plusコラム掲載(第3回)

2006年08月06日
夏の高校野球:力の上のものが勝つとは限らない

2006年07月27日
出る杭は打たれるか?

バックナンバー

2014年12月

2009年06月

2006年09月

2006年08月

2006年07月

2006年04月

2006年03月

2006年02月

2006年01月

2005年12月

2005年11月

2005年10月

2005年09月

2005年08月

2005年07月

2005年06月

2005年05月

2005年04月

2005年03月

2005年02月

2005年01月

2004年12月

カテゴリー

M&A

雑感

社会

おことわり

このブログでは、トラックバックを歓迎していますが、トラックバック先の内容を引用して掲載させていただいたりする可能性もございます。
またその内容が掲載に不適当と判断させていただくものは予告なく削除させていた場合があります。

以上のことをあらかじめご了承いただいた上で、トラックバックしてくださいますようお願い申し上げます。

 

Syndicate this site (XML)

Movable Type 3.01D-ja