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M&A

「会社の顔」:三菱自動車の復活を期待して

2005年01月30日

日産自動車の復活と三菱自動車の今後を比べる人がいる。確かに会社の危機的な状況については似ている点もある。しかし決定的に違うのは、日産は収益が上がらずに負債が膨れ上がってはいたが、不良車を製造したわけではなく、ブランドが致命的に毀損していたわけではないことである。一方、三菱は不良車を製造し、それを認めず隠蔽し、致命的に三菱自動車のブランドが毀損していることだ。今、三菱の車を買っても中古車で売るときにまともな値段で売れそうになく、また不良部品が使われているのではないかという危惧を払拭しきれない。消費者からそっぽを向かれた企業を立て直すのは従来どおりのやりかたではできない。

コマーシャルでリコールを真面目にやっていますというものが流れていたこともあった。リコールすることは当たり前のことで、だからと言って消費者を振り向かせることはできない。通常の企業再生のようにコストダウンだけでは再生しない。会社が変わったことを消費者に強烈にアピールしなければいけない。そういう意味で三菱自動車の再生はダイエーの再生よりもはるかに難しい。ダイエーは、よいものを適正な価格で楽しく提供できれば消費者はついてくる。しかし、自動車は、消費者が見ても安全かどうか分からない。それを知らしめ、消費者に安心感を与えて買ってもらうところまでもってくるのは極めて難しい。
通常の会社の建て直しであれば、三菱グループの人事と三菱系の金融機関の支援で何とかなったであろうが、今回はそんな甘いものではない。かわり栄えのしない新しいトップ人事が発表された。今回選任された三菱グループの新社長が、市場にアピールし消費者を惹きつけられる可能性は1%以下であろう。会社が変わったことを印象付けないといけないのに、従来どおりのトップ人事では会社が変わっていないことを世に印象付けただけである。勿論、今回のトップの方たちを知っているわけではないが、消費者には変わっていないという印象だけが残る。
消費者のブランドに対する印象を変えるには、思い切った社長の抜擢とその社長による市場への強烈なアピールしかない。「会社の顔」を変え、アピールすること、三菱自動車は変わった、面白い、自動車を買ってみようと思わせないといけない。野球でいうと、長島監督や星野監督のようなトップ人事がなければ消費者は冷ややかに推移を眺めているだけである。湯水のように三菱グループが資金を投入している。いまのままではざるに水を入れているようなものだ。1%以下とはいえ、今回のトップが会社を再生し会社と関連企業群の従業員とその家族に明るさを取り戻すことを心から祈りたい。



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